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【書籍紹介】『音楽家のためのメンタルトレーニング』大木美穂著

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この記事では、音楽に関連する書籍の要約と感想を記載しています。

目次

この本で得られること

この本で得られること

  • 自分にとって「ほどよい緊張感」をいつでも引き出すための練習法が分かる
  • 本番がうまくいかない原因を探る助けとなる
  • 音楽や自分との向き合い方を改めて考えられる

こんな方へオススメ

・十分に練習、準備しているのに本番が苦手
・メンタルトレーニングを知りたいと思っている
・本番が苦手な原因がハッキリしない

本書の構成

本書の目次は以下

はじめに 本番で実力を発揮したいあなたへ

第1章 メンタルトレーニングとは?
第2章 3つのスキル
第3章 アクティベーション調節
第4章 モチベーション調節
第5章 感情調節
第6章 メンタル練習法
第7章 音楽家の身体
第8章 音楽家のセルフケア
第9章 本番前のメンタル準備
第10章 メンタルトレーニングをレッスンや教育の場にとり入れる


おわりに 人生をかけて学んでいく

概要紹介

全体要約

本番で緊張することは悪ではない。
むしろ演奏のような複雑なタスクの場合、ほどよい緊張状態(フロー状態)が最も良いパフォーマンスを発揮できる。

このフロー状態は、個人差や状況により変化する。
そのため、自身にとっての本番不安や苦手の要因を知り、いつでも自分にとってよい緊張と集中状態を引き出せるようにするため、前半では様々なメンタルトレーニングの手法が述べられている。

本書の後半では、普段の過ごし方や練習の際の意識について述べられている。
メンタルだけでなく、普段の練習や技術が問題で本番がうまくいかない場合もあり、その場合の助けとなる情報が載っている。

3つのスキルとは

本書ではまず、一般的なメンタルトレーニングにおける3つのスキルについて紹介しています。

3つのスキル
呼吸法:リラックスしたり、集中したりするのに有効
ビジュアライゼーション:イメージトレーニングのこと
セルフトーク:心の声のこと

音楽家のためのメンタルトレーニング4つ

次に音楽家にとって必要なメンタルトレーニングを4つの領域に分けています。

アクティベーション調節:いつでもリラックスや活性化する方法
モチベーション調節:モチベを保ち続けるスキル
感情調節:自身の感情をコントロールするスキル
メンタル練習法:身体と感情と認知をつなぐ練習法

音楽家に必要なメンタル以外の要素

7章では音楽家が自分の身体について知るためのメソッドを紹介。
8章では音楽家が普段の生活で意識することを紹介。

本番前のメンタル準備

本番2週間前からの練習方法、当日や舞台裏の過ごし方などに触れられています。
本書の要約ではありませんが、私も本番前の練習法や暗譜法など記事にしているのでよろしければご覧ください。

特に参考になった部分と感想

私が本書を読み、特に参考になったと感じた点をピックアップしました。

・完璧主義を手放す
・自己肯定感を高める
・呼吸法

・本番のビジュアライゼーション

本書に出てきた順番とは異なりますが、特に参考になったものから順に書いています。


完璧主義を手放す

私が本番が苦手な大きな理由の1つが「完璧主義」だと、以前より薄々感じていました。
本書では、完璧主義にも大きく2種類あり、良い完璧主義=最善主義を目指そうと書かれています。

最善主義になるために大事なポイントを一部紹介すると…

・客観視してくれる人をもつ
・時間制限を設ける
・人に任せる勇気を持つ

etc・・・

このブログや、youtubeにアップする演奏を、つい「もっと良くできないか」と思うあまり、更新が遅くなっています。
そのため「時間制限を設ける」ということも大事だと感じました。

自己肯定感を高める

本書では、自信は以下の2つでできているとしています。

自己肯定感:自分の存在そのものの価値を肯定するもの(根拠のない自信)
自己効力感:物事を達成するのに必要な行動を遂行できると信じていること(根拠のある自信)

私は「自己肯定感」が著しく低く、「自己効力感」は比較的高いと感じます。
これまで自信に対するチグハグ感を感じることがありましたが、本書を読んで納得しました。

自己肯定感はセルフトーク(心の声)をポジティブなものに変えていくことで徐々に高められるそう。
とはいえ「自己肯定感」は幼少期からの環境や教育が大きく影響しているとのこと。

簡単には上がらないと思うので、自己肯定感を高めていくのは今後の課題でもあると感じます。

私が「自己肯定感UP」のために読んでみたいと思っている本は以下

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呼吸法

メンタルトレーニングでは【呼吸法】がとても重要なスキルとのこと。
私は整体師さんやお医者さんなどから「呼吸が浅い」と言われたことが数多くあります。
浅い呼吸では交感神経が優位になりやすく、緊張状態が続き自律神経も乱れます。

リラックスするための呼吸法として本書では以下が紹介されています。

・4カウントブレス
・4対7対8ブレス
・1対2ブレス

いずれの呼吸法でも吸う時は鼻から、吐くときは口からがポイント。

ヨガを習っていた時、呼吸をかなり意識する機会がありましたが、深い呼吸をするだけで汗のかき方が全く異なり、呼吸のすごさを感じました。

本書では反対に交感神経を優位にする「活性化」の呼吸法も書かれています。
日ごろから呼吸を意識して、やりやすいものを採り入れたいと思います。

本番のビジュアライゼーション

本番2週間前から特にオススメとされている「本番のイメージトレーニング」のことです。

手順は以下の通り

STEP
情報を集める

会場の大きさ、響き、雰囲気、楽器の状態、観客の数など自分のメンタルに影響を与えそうなものを予め調べ、当日のイメージができるようにする。

STEP
当日のシナリオを作る

集めた情報をもとに、当日をどう過ごすか計画を立てる。
事前に決めるべきことは決めておく。

STEP
本番のビジュアライゼーション

集めた情報やシナリオに沿い、静かな場所で当日や演奏中の様子を詳細に頭の中でイメージ。

上手くいくイメージを大事にするが、不安な場所やイメージできない部分は原因を分析し、解決できそうなことは対策を考える。

自身でコントロールできないことはマインドを変えるか、結果を手放すようにする。

むじか

「本番のイメージトレーニング」の方法については、以下の書籍でも詳しいやり方が紹介されています。私も試しましたが、その際の本番は比較的冷静に臨むことができました。

全体の感想

本書の内容の多くはメンタルトレーニングの手法に関することですが、音楽家の普段の過ごし方や目標の立て方、音楽への向き合い方、メンタルに良い普段の練習の方法等にも触れられています。

本書を読むと、本番がうまくいかない原因は大別すると以下の3つだと感じます。

・根本的メンタルの問題
・準備不足(メンタル練習含め)
・技術不足

私自身は本書を読み、自分の本番の弱さはメンタル由来のものだと再確認しましたが、本番のビジュアライゼーションなど、メンタルへの準備も不足しているのではないかと感じました。

本書を読むことで、これまで自分で思い込んでいたものだけでなく、新しい原因や側面が見つかるかもしれません。

まとめ

「音楽家のためのメンタルトレーニング」を読むと…

・メンタルが弱く本番が苦手な方へオススメ
・リラックスや緊張を引き出す手法が分かる

・本番へ向けた具体的なメンタル練習法が分かる
・自分を知る手助けになる
・本番苦手の原因が新たに見つかる可能性あり

・本番を成功させるための普段の過ごし方、考え方、練習法が分かる

・メンタルが弱く本番が苦手な方へオススメ
・リラックスや緊張を引き出す手法が分かる

・本番へ向けた具体的なメンタル練習法が分かる
・自分を知る手助けになる
・本番苦手の原因が新たに見つかる可能
性あり
・本番を成功させるための普段の過ごし方、考え方、練習法が分かる

紹介した内容はごく一部です。
詳しいメソッドや方法は本書内に記載されているので、気になった方は是非読んでみてください。

むじか

私が普段の練習で行っていること、本番前の対策などは以下の記事でご紹介しています

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むじか

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