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【ピアノの指使い】基本と応用、5つのルールを詳しく解説!

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ピアノの譜読みの時、よく指使いに迷います。
指使い(運指)のよい決め方はありますか?

むじか

指使いの決め方には覚えておくとよいルールがあります。
基本と応用、それぞれ解説しますね。

この記事ではこんな疑問、お悩みを解決します。

・指使い、5つの基本ルール
・目的とレベルで異なる指使い
・指使いの応用5つ
・運指の練習方法とオススメ教本
・指使いFAQ

この記事の執筆者

目次

指使いの基本5ルール

スムーズな演奏のために指使いはとても重要です。
まずは基本の5つのルールを知りましょう。

①5指ルール
②指くぐりルール
③和音ルール
④黒鍵ルール
⑤同音連打ルール

1つずつ解説します。

①5指ルール

5指ルールとは、5指の範囲で弾ける「まとまり」はなるべく5指の並びのとおりに弾くルールです。

まずは指番号を確認しましょう。
両手とも、親指が1になります

指番号

手の移動ありの5指ルール

例を挙げます。
以下の場合は、休符で手の位置を移動して、赤字の運指で弾くのがベターです。

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初心者の方は、後半を以下のような指使いで弾いてしまう場合がありますがオススメしません。

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指ひろげありの5指ルール

指拡げがある場合も、5指で収まるまとまりは、5指ルールで考えるのがオススメ。
ただし手の大きさ等によって、指くぐりした方がよい場合もあります。

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②指くぐりルール

指くぐりとは、5指内に収まらない音形を弾く際に指を下にもぐらせたり、被せたりして移動する弾き方のこと。
5指ルールが使えないところで必要になることが多いです。

指くぐりルールの例1

前半が先述の5指ルールと同じ曲ですが、後半は指くぐりを適用する必要がある音形です。

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指くぐりルールの例2

以下のように長く広いフレーズでは指くぐりが多く必要になります。
ただし、最初の1小節は手が大きい人は5指ルールでもOKです。

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むじか

指くぐりの基本的な指使いを覚えるには、音階練習やアルペジオ練習が最適です。

音階の練習方法や指使いは以下の記事もご参照ください

アルペジオの練習記事(作成中)

また、音階やアルペジオの指使いが全て記載しているオススメ教本はハノンです。

③和音ルール

和音ルールとは、指の幅と和音の形に沿った指使いで和音を弾くルールです。

ハ長調(C-dur)のⅠの分散和音 右手指使い
ハ長調(C-dur)カデンツの右手指使い


カデンツの指使いは、全ての調でこの指使いとなりますが、ハノンの音階とセットで練習するとよいです。

むじか

①~③が基本中の基本です。
まずはこの3つだけでも知っておきましょう!

④黒鍵ルール

黒鍵ルールとは黒鍵は1指で弾かない(適切な場合を除く)ルールです。

ブルグミュラー25の練習曲「舟歌」より例1

5指ルールだけで考えると、青字のような指使いを考える方もいると思います。

5指ルールで考えた指使い

ですが弾いてみると、少し弾きにくいと感じるのではないでしょうか。
なので今度は黒鍵ルールで考えてみます。

黒鍵ルールで考えた指使い

こちらの方が、筆者は弾きやすいです。
結果的に黒鍵+指くぐりルールとなりました。

むじか

鍵と黒鍵が入り混じる部分や、白鍵から黒鍵に進む場合は、黒鍵ルールを優先するのがベター

ブルグミュラー25の練習曲「舟歌」より例2

逆に、以下のように黒鍵が続く部分は、黒鍵ルールを気にしなくてもよい場合があります。

黒鍵ルールを気にしなくてよい例

⑤同音打鍵ルール

同音連打ルールとは、連続する同じ音はなるべく同じ指で弾かないルールです。

ブルグミュラー25の練習曲「やさしい花」の例

指使いが覚えやすいからと、以下のような指で弾く方がいます。

ブルグミュラー25の練習曲「やさしい花」より

ゆっくり練習している間は上記でも弾けますが、テンポを上げる段階になって、同じ音がくっついてしまったり、5指→1指に移る部分のミスタッチが増えたりします。

そのため、以下の指使いがオススメと言えます。

同音連打ルールで考えた指使い
むじか

テンポが速めの曲で、同じ音が続く場合には同音連打ルールを考えるのがオススメ

指使いの基本ルール5つ

①5指ルール
5指の範囲で弾けるまとまりは、なるべく5指の並びのとおり弾く

②指くぐりルール
5指で収まらない範囲を、指を下にもぐらせたり被せたりして弾く

③和音ルール
指の幅と音形に沿った指使いで弾く

④黒鍵ルール
黒鍵は適切な場合を除き1指で弾かない

⑤同音打鍵ルール
連続する同じ音はなるべく同じ指で弾かない

※黒鍵と白鍵が混じるところは黒鍵ルールを優先

※速い曲で同音連打が出てきたら同音連打ルールを優先

指使いの基本ルール5つ

①5指ルール
5指の範囲で弾けるまとまりは、なるべく5指の並びのとおり弾く

②指くぐりルール
5指で収まらない範囲を、指を下にもぐらせたり被せたりして弾く

③和音ルール
指の幅と音形に沿った指使いで弾く

④黒鍵ルール
黒鍵は適切な場合を除き1指で弾かない

⑤同音打鍵ルール
連続する同じ音はなるべく同じ指で弾かない

※黒鍵と白鍵が混じるところは黒鍵ルールを優先

※速い曲で同音連打が出てきたら同音連打ルールを優先

目的やレベルで異なる指使い

指使いの基本ルール5つについてお話しましたが、これらは必ずしも全員が守るべきとは思いません。

・上達を目的としていない方
・演奏の質は問わない方
・ゆっくりテンポで好きな曲だけ弾く方
・ピアノを始めたばかりでとにかく弾くのに慣れるのが優先の方

上記のような方は、ルールを気にせずご自身の弾きやすい指使いでもよいと思います。

逆に、以下のような方は指使いルールや指使いのことを少しずつ覚えていくのをオススメします。

・上達したい方
・演奏の質を上げたい方
・速い曲を弾きたい方
・ピアノに慣れてきた方

むじか

筆者もレッスンでは、生徒さんの目的・特徴に合わせて指使いをお伝えしています。

ピアノの指使いは、ピアノ演奏の目的や演奏者の習熟度によって変わる!

指使いの応用5つ

基本ルールを覚えてきて、より上達したい方、曲を弾きやすく、さらに美しく仕上げたい方は以下も覚えておくとよいです。

①両手をうまく使って指使いを考える

楽譜では片手のみで弾くように書かれているものを、両手でひく弾き方です。

ベートーヴェンのソナタ「悲愴」1楽章の例

ヘンレ版では写真のように、右手で全てを弾く指使いが書かれています。(青字は筆者の補足)

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」 第1楽章より ヘンレ版


筆者は生徒さんには以下の指使いで弾きます。赤字の部分を左手でカバーする弾き方です。

ベートーヴェン 悲愴 筆者の指使い

右手⇔左手のつなぎがスムーズな方は、これがオススメ。
逆に、右手の3-4指がよく開き、左右のつなぎが苦手な方はヘンレ版の指使いの方がオススメです。

むじか

自身の特徴をふまえつつ、美しく弾ける方を選ぶとよいです

②2つの音を1指だけで弾く

和音の数が多い時など、2つの音を1つの指で押さえて弾く方法です。

ドビュッシーの「映像第1集」ラモー頌の例

赤〇の和音は、ラシの音を親指1つで押さえます。

ドビュッシー 「映像第1集」よりラモー頌
赤〇部分の和音を弾いている手の様子
むじか

ロマン派以降でよく見かけるテクニックです。
知っていると便利!

③同じ指をすべらせて弾く

指が足りない時、同じ指を横にすべらせるようにして弾く方法です。

ドビュッシー前奏曲第1集より「亜麻色の髪の乙女」の例

以下の部分に5→5指をすべらせて弾く指示があります。

♭ソ♭シの和音を1・2の指で弾いているため、指が足りないのでこうするしかありませんね。
この指をすべらせる弾き方は、黒鍵→白鍵で特に有効です。

④音を伸ばしている間に鍵盤上で指を交換

鍵盤上で音を保持している間に指を変えて、次への動きをスムーズにする弾き方です。

同じく「亜麻色の髪の乙女」より。
赤枠の指使いでは、♭レに3指で到達し、音を保持したまま5指に変えるよう指示があります。

ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」より


♭ソ♭シの和音を12指で保持したまま上の旋律をレガートで弾く必要があるため、このような指使いがオススメされていると言えます。

③④について、分かりにくい場合は動画でご確認ください。

⑤1指以外も指くぐりできるようにする

1指以外の指同士で指くぐりをして弾く方法です。

バッハの平均律第1巻16番のフーガの例

バッハ 平均律第1巻16番 フーガより

ピンク枠内では、3⇔5指や4⇔5指のくぐりが頻発します。
この指くぐりができないと、ところどころ音が切れてしまうため、可能ならこの指がよいです。

動画でもご確認ください。

むじか

基本の指くぐりでは1と2~5指ができればOKでしたが、1指以外の指くぐりができると、テクニックの幅がグッと広がります。

指使いの応用5つ

①両手をうまく使って指使いを考える
②2つの音を1指だけで弾く
③黒鍵→白鍵で同じ指をすべらせて使う
④音を伸ばしている間に鍵盤上で指を交換
⑤1指以外も指くぐりできるようにする

指づかいのおススメ練習方法と教本

指使いを習得するために

まだ指使いを自分で考えられないという方は、曲を譜読みする時に楽譜に指使いを書くことをオススメします。

STEP
指使いを書く

まずは譜読みの段階で指使いを書きこむ

STEP
いつも同じ指使いで練習

書き込んだ指使いを守って練習

STEP
指使いを試行錯誤

練習しても弾きにくい、ミスが多いなどあれば指使いを考えなおし、書き直して練習

上記を繰り返すことで、自分に合う指使いを考えられるようになってきます。

5指ルール&指くぐり練習オススメ教本

5指ルールや、指くぐりを適切な場面で使えるようになるためには、ハノンがオススメ。

5指ルールの基礎:ハノン1~31番
指くぐりと全調の音階:ハノン32番~39番
半音階の指使い:ハノン40番
全調アルペジオの指使い:ハノン41番

ツェルニー100番練習曲でも、音階や半音階、アルペジオなど基本テクニックの指使いが学べます。

ハノンツェルニーは難しい!という初心者の方には、以下の教本もオススメです。

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和音ルールのおススメ練習

カデンツ和音の指使い:ハノン
和音伴奏の指使い練習:ワルツ系の曲を練習

以下の曲集は、ブルグミュラー25練習曲~ソナチネレベルで演奏できるように、名曲のワルツを編曲したものが編纂されている曲集です。

同音連弾ルールのおススメ教本

同音連打:ハノンツェルニー100番練習曲より27番や58番など

応用の指使い練習

応用の指使いの中で、「和音を1つの指で弾く」以外は、バッハが最強の練習と言えます。

・両手をうまく使う
・鍵盤上で指を交換
・指をすべらせて弾く
・1指以外の指くぐり


バッハのシンフォニア平均律などで上記の全てのテクニックが必要になります。

指使いをまだ自身で考えるのが難しい方は、ヘンレ版や原典版よりも、全音版などがオススメです。

藤本雅美さんの「ピアノのためのフィンガートレーニング」の中に、1指以外の指くぐりの練習として面白いものがありますので例をご紹介します。
曲を練習するほどの時間がない人にもおすすめ。

音階を2、3指のくぐりで弾く練習(例)


指使いの練習方法とオススメ教本

・指使いの基本を覚えるにはハノンが鉄板
・指使いの習得のためにまず指使いを書こう
・決めた指使いは守るように練習しよう
・練習してもうまくいかない場合は指使いを変えてOK

指使いFAQ

Q1.楽譜に元々書いている指使いは必ず守るべき?

むじか

曲の場合は必ずしも守らなくてOK。
ツェルニーなどの練習曲や、教則本の指使いは守る方が勉強になる場合があります。

Q2.片手ずつ指使いをしっかり練習しても、両手になった時にいつの間にか指使いが変わってしまう。

むじか

両手でしっかり部分練習をゆっくり行うか、どうしても左右でつられてしまう場合は、つられない指使いに変えるのも1つ。

まとめ

ピアノの指使い まとめ

【基本5ルールをまず覚えよう】
①5指ルール
②指くぐりルール
③和音ルール
④黒鍵ルール
⑤同音連打ルール

【応用5ルールは便利!】
①両手をうまく使う
②和音を1つの指で弾く
③指をすべらせて弾く
④鍵盤上で指を交換
⑤1指以外の指くぐり

・指使いは目的やレベルによって変化する!
・指使い習得のためには指使いをまず書き込もう
・指使い習得にハノン、ツェルニーはオススメ
・楽譜に記載の指使いは変えてもよい

ピアノの指使い まとめ

【基本5ルールをまず覚えよう】
①5指ルール
②指くぐりルール
③和音ルール
④黒鍵ルール
⑤同音連打ルール

【応用5ルールは便利!】
①両手をうまく使う
②和音を1つの指で弾く
③指をすべらせて弾く
④鍵盤上で指を交換
⑤1指以外の指くぐり

・指使いは目的やレベルによって変化する!
・指使い習得のためには指使いをまず書き込もう
・指使い習得にハノン、ツェルニーはオススメ
・楽譜に記載の指使いは変えてもよい

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