ピアノを習い始めました。
好きな曲だけ弾きたいのですが「基礎も大事」と言われてモヤってます。
それはAさんと、先生の「目的」の認識にズレがありますね。
解説します。
この記事ではこんな疑問、お悩みを解決します。
・あなたのピアノ演奏の目的を探ろう!
・目的別、学び方3選
・目的別、最短到達法
この記事の執筆者
あなたのピアノ演奏の目的を探ろう!
ピアノ演奏の目的は、大別すると3つに分けられます。
実は目的によって、最短ルートが変わります。
そのため、まずはあなたのピアノ演奏の目的を下図で明確にしてみましょう。
※ここでは鑑賞や音楽を楽しむ、という広義の目的は含まず、曲を弾く場合のみ記載します。
もちろん広義の目的も否定しているわけではありませんよ!
あなたのピアノ目的はどれに近い?
目的別、ピアノの学び方3選
A.気軽に好きな曲を楽しむルート
・自分の好きな曲だけ弾きたい
・基礎や読譜より、とにかく曲を弾きたい
・好きな曲なら長い期間練習してもよい
・気軽に楽しみたい
メリット | デメリット |
---|---|
・楽譜を読まずとも耳コピ、手マネで弾ける ・誰でも気軽にピアノを楽しめる ・独学、アプリ等で学習も可能 ・初めてでもいきなり好きな曲から挑戦できる | ・練習しないとすぐ弾けなくなる ・1曲弾けるまでに時間がかかる ・弾ける曲が限られる(簡単アレンジ等) ・難しい曲を弾くなら1曲に数年かかる ・ここからB,Cタイプに自然移行しにくい |
メリット | デメリット |
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・楽譜を読まずとも耳コピ、手マネで弾ける ・誰でも気軽にピアノを楽しめる ・独学、アプリ等で学習も可能 ・初めてでもいきなり好きな曲から挑戦できる | ・練習しないとすぐ弾けなくなる ・1曲弾けるまでに時間がかかる ・弾ける曲が限られる(簡単アレンジ等) ・難しい曲を弾くなら1曲に数年かかる ・ここからB,Cタイプに自然移行しにくい |
「誰でも1ヶ月でピアノが弾ける!」のような広告を見たことはありませんか?
それらはこのAルートです。
ピアノは鍵盤を押せば、誰でも同じ高さの音が鳴らせる。
その意味では、かなり易しい楽器です。
Aルートで演奏の幅を広げたければ、コード伴奏等を覚えるのもおすすめ。
全くのピアノ初心者がAルートで練習すると、動画①のように弾くのにおおよそ2ヶ月~半年かかるでしょう。
(個人差あり)
次に似たようなレベルの曲を練習する時も、同じく2ヶ月~半年かかります。
もしもっと難しい版(動画②)を弾きたい場合は、1曲で数年かかることも。
.
B.難しい曲を弾くルート
・難しい曲を弾きたい
・速弾きなどに憧れる
・曲の難易度が気になる
・どんな曲でも弾けるようになりたい
メリット | デメリット |
---|---|
・挑戦できる曲の幅が広がる ・ピアノを長く続けたくなる傾向あり ・教本や曲の進みが早くなる傾向あり ・いずれAルートも包括できる | ・上達を実感しやすい・身体技術に時間をかける必要あり ・向き不向きがあり若年者が有利 ・楽譜が読めないと頭打ちがくる ・身体技術をしっかり学ばないと故障リスク有 | ・美しい演奏になるとは限らない
メリット | デメリット |
---|---|
・上達を実感しやすい ・挑戦できる曲の幅が広がる ・ピアノを長く続けたくなる傾向あり ・教本や曲の進みが早くなる傾向あり ・いずれAルートも包括できる | ・美しい演奏になるとは限らない ・身体技術に時間をかける必要あり ・向き不向きがあり若年者が有利 ・楽譜が読めないと頭打ちがくる ・身体技術をしっかり学ばないと故障リスク有 |
世間一般の認識では、ピアノ上達というとBルートを想像しているかもしれません。
同じ曲を弾いているのに、先生と生徒の演奏が違う…というのはこのBだけに着目しているからかもしれません。
Bルートで習い始めて1~5年たった方なら、動画②のような演奏をするのに1カ月~半年くらいかかるでしょう。
(個人差あり)
ただし、簡単アレンジ版(動画①)ならば数日で弾けると思います。
・
C.自由で美しい演奏をするルート
・どんな曲でも素敵な演奏にしたい
・自身の思いを演奏で表現したい
・音楽の美しさを深く楽しみたい
・表現力豊か、音が美しい演奏に憧れる
メリット | デメリット |
---|---|
・曲の美しさをより感じられるようになる ・表現する楽しみを感じられるようになる ・年齢を重ねても衰えにくくむしろ洗練される ・聴衆にも感動を与えやすい ・Aルートも包括できる | ・耳が養われていないと変化を実感しにくい ・難しい曲を弾く場合はBルートも学ぶ必要有 ・楽譜が読めないと頭打ちがくる ・向き不向きがある |
メリット | デメリット |
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・曲の美しさをより感じられるようになる ・表現する楽しみを感じられるようになる ・年齢を重ねても衰えにくくむしろ洗練される ・聴衆にも感動を与えやすい ・Aルートも包括できる | ・耳が養われていないと変化を実感しにくい ・難しい曲を弾く場合はBルートも学ぶ必要有 ・楽譜が読めないと頭打ちがくる ・向き不向きがある |
コンクールや、ピアノの専門に進む際に最も重視されるルートです。
難しい曲が弾ければ、音大に入るまでは可能な場合もありますが、最終的には、ここで差がつきます。
しかしながら、難しい曲を弾かずとも、美しい演奏をすることは可能です。
素敵な演奏をするアマチュアピアニストは、このCルートを大事にしたのでしょう。
Cルートで習い始めて1~5年たった方なら、動画③のような演奏をするのに2ヶ月~半年くらいかかるでしょう。
(個人差あり)
Bルートも同時並行で勉強すると時間はかかりますが、リターンも大きいです。
多くの教室では、先生の方針や生徒さんの希望に合わせ、このA~Cどれかに比重を置くか、バランスを取りながら教えています。
あなたのピアノ演奏の目的が見つかりましたか?
Aルート:気軽に好きな曲を楽しむ
・耳コピや手まねだけでも気軽に弾ける
・1曲弾くのに時間がかかる
Bルート:難しい曲を弾く
・上達を実感しやすく弾ける曲の幅が広がる
・身体技術をしっかり学ぶ必要があり、リスクもある
Cルート:自由で美しい演奏をする
・曲の美しさを感じ表現できる喜びを得られる
・耳と読譜力が養われていないと難しい
Aルート:気軽に好きな曲を楽しむ
・耳コピや手まねだけでも気軽に弾ける
・1曲弾くのに時間がかかる
Bルート:難しい曲を弾く
・上達を実感しやすく弾ける曲の幅が広がる
・身体技術をしっかり学ぶ必要があり、リスクもある
Cルート:自由で美しい演奏をする
・曲の美しさを感じ表現できる喜びを得られる
・耳と読譜力が養われていないと難しい
目的が明確になったら、次に最短で叶える方法を実践!
※ジャズピアノなど他ジャンルのルートは以下ルートとは異なる可能性があります。
他ジャンル希望の方はジャンルに沿ったサイト等もご参照ください。
ルート別、最短到達方法
Aルートの最短到達法
・鍵盤の位置を覚える
・楽譜にドレミと指番号を書く
・曲を少しずつ分け、片手ずつ→両手の順でひたすら練習
・曲を何度も聞いて先生の手の動きを真似すると早い
Aルートは、書籍やアプリ等で独学も可能。
Aルートをサポートするキーボード
Aルートをサポートする書籍
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Bルートの最短到達法
・身体技術に特化した訓練をする
・音階、和音、アルペジオなど基礎技術を習得
・色々な曲を勉強、身体技術の経験を積む
Bルートはここで一言では書けないので、具体的な方法は以下の記事から
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Cルートの最短到達法
・表現技術に特化した訓練をする
・曲の構成、アーティキュレーション、調や和音の知識などを習得
・色々な曲を勉強、表現技術の経験を積む
CもBと同様に、具体的な方法は以下の記事から
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A:聞いてマネてとにかく弾く!
B:身体技術訓練をしながら、技術を習得!
C:表現技術訓練をしながら、知識を習得!
ピアノの真の実力をつける
A.B.Cルート全部行きたい場合はどうする?
「ピアノの真の実力」をつけましょう。
詳細は以下の記事から
ルートA~Cの演奏イメージ動画は、全て筆者が即日演奏してます。
実力をつければ、どんな演奏も自在にできます!
なぜ多くの教室では「基礎」を教える?
一般的に「基礎」と呼ばれているものは、B、Cルートのことを指しています。
「基礎」があれば、いずれAルートも包括できます。
ですがAルートだけ進んでしまうと、その後B、Cに進むのが難しくなります。
特にBは、学ぶ年齢が早い方が身につきやすいです。
長い目で見て、「基礎」を身につけた方が、ピアノの楽しみ方が無限大に広がる。
なので「基礎を大事に」というわけです。
最初に習う曲に教本や童謡が多い理由
【音楽やピアノ曲の基本的な構造】を学んでもらいたいためです。
J-popや、アニメの曲などは刺激的ですが、そもそもピアノ曲ではないことが多い。
リズムや音程も初心者には難しいため、最初からそのような曲を弾こうとすると、色々なものをすっ飛ばして覚えることになります。
自身の理想の未来、目的を知り充実したピアノライフを!
時々大人の生徒さんが「もっと基礎を教えてほしいのに、先生があまり深く追求しない」
という声を聞くことがあります。
大人からでもしっかり学べば、B、Cルートも目指せるので、先生としっかり目的のすり合わせが必要です。
まとめ
- ピアノ演奏の目的は大別すると3つある
- 目的によって最短ルートが変わる
- 気軽に好きな曲を楽しむ場合は聞いてマネてとにかく弾く
- 難しい曲を弾く場合は身体の基礎技術を習得し実践を積む
- 美しい演奏をしたい場合は表現技術を習得し知識をつける
- ピアノの真の実力をつけると、楽しみ方は無限大に広がる
- ピアノ演奏の目的は大別すると3つある
- 目的によって最短ルートが変わる
- 気軽に好きな曲を楽しむ場合は聞いてマネてとにかく弾く
- 難しい曲を弾く場合は身体の基礎技術を習得し実践を積む
- 美しい演奏をしたい場合は表現技術を習得し知識をつける
- ピアノの真の実力をつけると、楽しみ方は無限大に広がる