この記事ではこんな疑問、お悩みを解決します。
・ピアノの聴力とは?
・聴力向上のロードマップ
この記事の執筆者
ピアノの聴力とは?
ピアノの聴力とは、音やリズムを聞き分ける力。
以下の状態なら、ピアノの聴力が高いと言えます。
・相対音感がある
・リズムの違いが聞き分けられる
・微妙な音色の違いが聞き取れる
・同時に沢山の音・リズムが聞き取れる
聴力向上へのステップ
自身の聴力を知るには?
自身の聴力が分からない方は、以下記事で、ピアノの聴力レベルを診断しましょう。
聴力向上のステップ
聴力をつけるのは案外簡単!
日常の中で、できるところからはじめてみよう。
ステップ1
1:日常的に音楽をきこう!
ピアノ曲含め、たくさん曲を聞きましょう。
それだけ。
ジャンルはなんでもOK。
ながら聞き、BGMでもOK。
ステップ2
2:歌を歌う、リズムをとる
訓練方法は色々あるので、1つずつ紹介。
★初級練習
歌うこと、リズムをとることを別々に行います。
主に幼児が対象。
歌 | リズム |
---|---|
「歌詞」で歌をうたう機会を増やす 童謡やシンプルな歌がおススメ | ・大人のマネをしてリズムをたたく ・曲に合わせて身体を揺らす、手をたたく |
シンプルな歌とは、音程幅が狭く、リズムが易しいもの。
大人ならジブリ曲「君をのせて」などもおススメ。
★中級練習
曲を歌詞で歌いながら手拍子をつけてみましょう。
幼児向け
言葉に合わせて手をたたきながらうたう
小学生以上向け
手で拍をたたきながらうたう
こちらは大人にも効果的なのでおススメ!
ステップ3
3:音と言葉と鍵盤をリンクさせる
★音と言葉をリンクさせる
「歌詞」で歌っていた音を、ドレミで歌えるようにします。
6歳以上なら、最初から歌をドレミで覚えても可。
※この記事では相対音感を身につける方法を記載。
絶対音感をつける場合は年齢や手順に注意が必要なので補足をご参照ください。
★音と鍵盤をリンクさせる
・ピアノを弾きながらドレミうたいをする
・聞こえた音と、同じ音の鍵盤を探してみる
など
ピアノを弾きながらドレミうたいをする
指、音、鍵盤、ドレミがリンクする一番オススメの方法。
楽譜を見ながらやる場合は、さらに楽譜とのリンクの訓練にもなります。
ステップ4
4:音とリズムの知識・経験値を増やす
方法は沢山ありますが、ここでは1つずつ紹介。
ここでの「大人」は小学校高学年以上を指します。
★音の高低、音程幅を聞く、うたう
幼児向け
ピアノの音を聞いて、近い音を想起させる。
聴力だけでなく、表現力にもつながる遊び。
例えば、動物のイラストを用意し、どのイメージに近いかなどを聞く。
大人向け
コールユーブンゲン で歌うのがおススメ。
3度、4度の音程だけを歌う課題などもあり、相対音感の練習になる。
★色々なリズムパターンを聞く、たたく
幼児向け
ことばのリズムを見つけ、言いながら手をたたく
応用では、のびる音を混ぜた言葉をたたき、音の長短を感じさせる
大人向け
色々なリズムをいつでも打てるよう練習。
読譜力向上にも役立つ。
リズム表一覧(教材作成中)
★拍感を感じながら聞く、うたう
幼児向け
拍感を身体で表現しながらうたう。
幼児向けとしているが、大人にもおススメ。
拍感を身体で表現しながらうたう遊び
①拍感に合わせ以下のようなルールを決める
<3拍子の場合>
1拍目=強=ひざを強くたたく
2、3拍目=弱=手をかるくたたく
②拍にあわせてリズムをたたきながら歌う
大人向け
指揮をしながら歌を歌う。
身体技術の練習にもなる。
拍を感じるのが目的なので、指揮は下手でも大丈夫!
★主と背景を聞き分ける
ピアノは1人で沢山の音を演奏する楽器です。
なのでその音がどういう役割なのかを聞き取る力が非常に重要です。
初級
ピアノ曲をきいて、メロディを探す&聞く。
ex)ベートーヴェン:悲愴ソナタ第2楽章
ショパン:雨だれの前奏曲
古典~ロマン派くらいの、モノフォニー曲がおすすめ
中級
オーケストラ等を聞き、メロディを探す&聞く。
逆に、リズムを刻んでいる楽器を探す&聞く。
等
★長調、短調を聴き比べる、うたう
幼児向け
和音の明暗をききわける遊びをする。
明るい和音=赤はた
暗い和音=青はた
などとルールを決めて、遊びで取組む
大人向け
易しい曲を短調にして弾く、歌う遊びをする。
やり方を覚えると理論の勉強にもなる。
音の出し方、テンポを変えて演奏すると表現の練習となる。
チューリップさいた(長調)
チューリップしぼんだ(短調)
5:集中して音を聞く
★自身の演奏を録音して聴く
大人向け。
想定していた演奏とどのくらい違うか?どこが違うか?に着目して聴く。
練習の補助としても最適。
ピアノ演奏録音に適したレコーダー(筆者使用機)
TASCAM|タスカム DR-05X リニアPCMレコーダー
良音質で録画もしたい方は以下
比較的安価で、軽く、演奏会録画などにおススメ
ZOOM ズーム ハンディビデオレコーダー Q2n-4K (筆者使用機)
★同じ曲の異なる演奏を聴き比べる
好きな曲で、別のピアニストやオーケストラの演奏を聴き比べてみる。
何が異なるのか?を書き出すとよい訓練になる。
★2本以上の旋律を聞き分ける
幼児向け
先生が2曲同時に演奏し、曲当てのゲームをする。
どちらも子どもが知っている曲がのぞましい。
以下、左手でチューリップ、右手でメリーさんを弾いている動画
大人向け
ポリフォニー曲を積極的に聞く、演奏する。
初級者でもポリフォニーにチャレンジできる、おすすめの教本もあります。
★書き取り聴音をやる
聴音とは、音楽を聴いて楽譜に書き起こすこと。
単旋律、副旋律、和音聴音がある。
聴力だけでなく、読譜力の訓練にもなる。
大人でも難しい訓練なので、易しいものから始めるのがおススメ
聴音のための教材
音高・音大を目指す方向け
無料サイトもありますが、経験者向け
★自分のピアノの音をよく聞く練習
自分の音をしっかり聞きながらピアノを弾いている人は、案外少ないです。
じっくり音を聞く練習はとてもおススメ。
練習目的に適した曲を一部ご紹介します。
メロディを美しく弾けているか聞く
初級
ブルクミュラー:牧歌
前奏は右手単旋律のみ。
美しい音色&レガートでないと、退屈な演奏になる。
中級
ショパン:ノクターン第6番 op.15-3
息の長いフレーズ、短いフレーズの表現力を要する
曲の後半は和音のバランス練習にも最適
メロディを美しく弾く方法はこちら(作成中)
和音のバランスを聞く
初級
ブルクミュラー:アヴェ・マリア
同じ和音の連続をどう弾くか考察が必要。
長調⇔短調の音色変化も勉強できる。
中級
ショパン:前奏曲op.28-20
メロディの流れを作りつつ、和声感を表現する勉強を。
くり返しで和音バランスを変化させる技術も必要。
和音をキレイに弾く方法は以下記事にて