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ピアノのスタッカートの正しい意味、弾き方の基本と応用を解説

ピアノでスタッカートを上手に弾く方法 ~基本と応用~

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ピアノのスタッカートは「跳ねる」ように弾けばいいですか?

この記事ではこんな疑問、お悩みを解決します。

・基本のスタッカートの意味と弾き方
・曲に合わせたスタッカート弾き方(応用)
・スタッカートに似ている記号、弾き方

この記事の執筆者

目次

スタッカート記号と意味

スタッカートの記号はこれ

音楽用語辞典では、「音を切って弾く」という意味で書かれていることが多いです。

音符の1/2の長さにするのが基本的な弾き方です。

スタッカートが出てきたら、全部この弾き方でいいのですか?

むじか

いえ、実際にはスタッカートの弾き方は複数存在します!

具体的にどうしたらいいのですか?

むじか

まずは基本のスタッカートの弾き方からお話しますね。

スタッカート基本の弾き方

基本のスタッカート、良い例

スタッカートの基本の弾き方

・鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく

・p(弱音)で弾きたい時、指先を軽い力で動かす

・f(強音)はより速く指先を動かすか、「投げ」動作

・鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく

・弱音で弾きたい時、指先を軽い力で動かす

・強音はより速く指先を動かすか、投げ動作

はじくとビヨン、という反動があると思いますが、力で止めずにそのまま受け取りましょう。

 動画①基本のスタッカートを弾く時の指の動き

スタッカートで音の大きさを変えたい時は、指を動かす「スピード」と「力の量」で調整します。

動画②スタッカートをpで弾く時の指の動き
動画③スタッカートをfで弾く時の指の動き
むじか

指を「軽くひっかくように」で、動きが分かりやすい人もいるようです

強音のスタッカートは、腕を投げる動作で弾くことも可能です。
ボールを投げるような動きに近いです。

動画④ 「投げ」動作のスタッカート

筆者は「投げ」動作は、オクターブのスタッカートで迫力が欲しい時に使うことが多いです。
また、前後関係に応じて使い分けます。

動画⑤ 「投げ」動作によるオクターブのスタッカート

基本のスタッカート、NG例

手首が高すぎ、指先で鍵盤に触れるだけの以下の動きはおススメしません。
音が抜ける確率が高く、腕も疲れやすくなります。

動画⑥ 基本のスタッカート 弾き方NG例1

前腕を上下させるだけの「上から叩く」動作もNG。
音が汚く、ミスタッチ確率も高まります。

動画⑦ 基本のスタッカート 弾き方NG例2

※「投げ」動作と似ていますが、指先や上腕が使えていないと、こちらのNG動作に近くなります。

基本のスタッカート 実例(単音)

次に、基本のスタッカートで弾ける曲の実例を紹介します。
まずは単音のスタッカート。

譜例1 ブルクミュラー 牧歌より

譜例1の実際の動作

動画⑧ 譜例1の右手のみ演奏

基本のスタッカート 実例(和音)

次に和音のスタッカート。
和音でも指の使い方は変わりません。

 譜例2 ブルクミュラー 集会より

譜例2の実際の動作

動画⑨ 譜例2 右手のみインテンポ

ゆっくりバージョン

動画⑩ 譜例2 右手のみ ゆっくり

スタッカート基本の弾き方 まとめ
  • 鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく
  • p(弱音)で弾きたい時、指先は軽い力で動かす
  • f(強音)で弾きたい時、より速く指先を動かすか投げ動作
  • 手首高すぎ、上から叩く、は基本的にはNG
  • 和音のスタッカートも基本の弾き方は同じ
  • 鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく
  • 弱音で弾きたい時、指先は軽い力で動かす
  • 強音で弾きたい時、より速く指先を動かすか、投げ動作
  • 手首高すぎ、上から叩く、は基本的にはNG
  • 和音のスタッカートも基本の弾き方は同じ

応用のスタッカートについても教えてください。

曲に沿ったスタッカートの弾き方【応用】

曲の流れや表現によって、スタッカートの弾き方も変化します。

「はらい」のスタッカート

 譜例3 ブルクミュラー せきれい より

「はらい」のスタッカートの弾き方

・指の動きを少なく
・軽く触れるように
・手首の力を抜きながら打鍵

習字の「はらい」のイメージで弾くとよいです。
譜例3では、スタッカートの音が拍頭より強くならないよう注意。

動画⑪ 譜例3 右のみ

何を見て、この弾き方だと判断したらいいのですか?

むじか

フレーズの終わり、表拍ではないこと等をふまえています。

「分離」を表すスタッカート

譜例4 ブルクミュラー アヴェ・マリア より

分離を表すスタッカートの弾き方

・指ははじかず、置くだけ
・ノン・レガートに近い

スタッカートというイタリア語は「分離された」という意味があります。
譜例4では、その本来の意味を表現していると思ってOK。

動画⑫ 譜例4 左のみ
むじか

唐突に出てきたスタッカートは、「分離」の意味を疑ってOK

これらは曲の解釈によって変化するため、1つの参考と思ってください。

関連記事:なぜ楽典を勉強する?明日から使える知識の宝庫

曲に合わせたスタッカートの弾き方 まとめ
  • はらい」のスタッカート:習字の「はらい」のイメージで打鍵
  • 「分離」のスタッカート:指を置くように打鍵

「はらい」のスタッカート
習字の「はらい」のイメージで打鍵

「分離」のスタッカート
指を置くように打鍵

むじか

スタッカートに似ている記号については簡単に触れます

スタッカートに似ている記号・奏法

ノン・レガート

譜例5 ヘンデル ハープシコード組曲第2番『サラバンド』より

スタッカートは音を「短くする」ニュアンス。
ノン・レガートは音を「分離する」ニュアンス、と解釈しておけばよいです。

動画⑬ スタッカート
動画⑭ ノン・レガート


ノン・レガートだから絶対にスタッカートで弾いてはいけない!ということではなく、弾き方は曲の流れや時代に沿って考えたいところ。

スタッカーティシモ

譜例6 ハイドン ソナタ第38番より


音符の1/4の長さにするのが一般的考え。

ただし、古典曲の楽譜ではスタッカートの代わりに用いられることも。
曲の流れや時代に沿って解釈したいところです。

メゾ・スタッカート

書き方が2通りあり、どちらも「メッゾ・スタッカート」と呼ばれています。
楽器によっては「ポルタート奏法」を表すこともあります。

音符の3/4程度の長さで演奏するのが一般的考え。
しかしこれも、厳密ではなく曲の流れに沿って変化します。

アクセント・スタッカート

譜例9 ブラームス 4つの小品 Op.119 より


音を短くし、かつ強く弾きます。
アクセンティシモ+スタッカートのパターンもあります。

むじか

いずれも曲の流れや時代により解釈が変わることがあります。
音楽は相対性です!

スタッカートに似ている記号・奏法 まとめ
  • ノン・レガート:音を分離する
  • スタッカーティシモ:その音の1/4の長さ
  • メゾ・スタッカート:その音の3/4の長さ
  • アクセント・スタッカート:短く&強く
  • 曲の流れや時代に沿ってニュアンス変化!
  • ノン・レガート:音を分離する
  • スタッカーティシモ:その音の1/4の長さ
  • メゾ・スタッカート:その音の3/4の長さ
  • アクセント・スタッカート:短く&強く
  • 曲の流れや時代に沿ってニュアンス変化!

まとめ

スタッカートを上手に弾く方法、基本と応用

・基本スタッカートは音を1/2の長さ弾く

・基本スタッカートは鍵盤に指を置いたところから、指先をはじくように弾く

・和音も基本のスタッカートの弾き方は同じ

・「はらい」や「分離」の応用の弾き方がある

・スタッカート、似ている記号とも曲の流れや時代に沿って弾き方を考えよう

・基本スタッカートは音を1/2の長さ弾く

・基本スタッカートは鍵盤に指を置いたところから、指先をはじくように弾く

・和音でも基本のスタッカートの弾き方は同じ

・「はらい」や「分離」の応用の弾き方がある

スタッカート、似ている記号とも曲の流れや時代に沿って弾き方を考えよう

この記事の参考図書

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