ピアノのスタッカートは「跳ねる」ように弾けばいいですか?
この記事ではこんな疑問、お悩みを解決します。
・基本のスタッカートの意味と弾き方
・曲に合わせたスタッカート弾き方(応用)
・スタッカートに似ている記号、弾き方
この記事の執筆者
スタッカート記号と意味
スタッカートの記号はこれ
音楽用語辞典では、「音を切って弾く」という意味で書かれていることが多いです。
音符の1/2の長さにするのが基本的な弾き方です。
スタッカートが出てきたら、全部この弾き方でいいのですか?
いえ、実際にはスタッカートの弾き方は複数存在します!
具体的にどうしたらいいのですか?
まずは基本のスタッカートの弾き方からお話しますね。
スタッカート基本の弾き方
基本のスタッカート、良い例
スタッカートの基本の弾き方
・鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく
・p(弱音)で弾きたい時、指先を軽い力で動かす
・f(強音)はより速く指先を動かすか、「投げ」動作
・鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく
・弱音で弾きたい時、指先を軽い力で動かす
・強音はより速く指先を動かすか、投げ動作
はじくとビヨン、という反動があると思いますが、力で止めずにそのまま受け取りましょう。
スタッカートで音の大きさを変えたい時は、指を動かす「スピード」と「力の量」で調整します。
指を「軽くひっかくように」で、動きが分かりやすい人もいるようです
強音のスタッカートは、腕を投げる動作で弾くことも可能です。
ボールを投げるような動きに近いです。
筆者は「投げ」動作は、オクターブのスタッカートで迫力が欲しい時に使うことが多いです。
また、前後関係に応じて使い分けます。
基本のスタッカート、NG例
手首が高すぎ、指先で鍵盤に触れるだけの以下の動きはおススメしません。
音が抜ける確率が高く、腕も疲れやすくなります。
前腕を上下させるだけの「上から叩く」動作もNG。
音が汚く、ミスタッチ確率も高まります。
※「投げ」動作と似ていますが、指先や上腕が使えていないと、こちらのNG動作に近くなります。
基本のスタッカート 実例(単音)
次に、基本のスタッカートで弾ける曲の実例を紹介します。
まずは単音のスタッカート。
譜例1の実際の動作
基本のスタッカート 実例(和音)
次に和音のスタッカート。
和音でも指の使い方は変わりません。
譜例2の実際の動作
ゆっくりバージョン
- 鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく
- p(弱音)で弾きたい時、指先は軽い力で動かす
- f(強音)で弾きたい時、より速く指先を動かすか、投げ動作
- 手首高すぎ、上から叩く、は基本的にはNG
- 和音のスタッカートも基本の弾き方は同じ
- 鍵盤に指を置いたところから、指先をはじく
- 弱音で弾きたい時、指先は軽い力で動かす
- 強音で弾きたい時、より速く指先を動かすか、投げ動作
- 手首高すぎ、上から叩く、は基本的にはNG
- 和音のスタッカートも基本の弾き方は同じ
応用のスタッカートについても教えてください。
曲に沿ったスタッカートの弾き方【応用】
曲の流れや表現によって、スタッカートの弾き方も変化します。
「はらい」のスタッカート
「はらい」のスタッカートの弾き方
・指の動きを少なく
・軽く触れるように
・手首の力を抜きながら打鍵
習字の「はらい」のイメージで弾くとよいです。
譜例3では、スタッカートの音が拍頭より強くならないよう注意。
何を見て、この弾き方だと判断したらいいのですか?
フレーズの終わり、表拍ではないこと等をふまえています。
「分離」を表すスタッカート
分離を表すスタッカートの弾き方
・指ははじかず、置くだけ
・ノン・レガートに近い
スタッカートというイタリア語は「分離された」という意味があります。
譜例4では、その本来の意味を表現していると思ってOK。
唐突に出てきたスタッカートは、「分離」の意味を疑ってOK
これらは曲の解釈によって変化するため、1つの参考と思ってください。
関連記事:なぜ楽典を勉強する?明日から使える知識の宝庫
- 「はらい」のスタッカート:習字の「はらい」のイメージで打鍵
- 「分離」のスタッカート:指を置くように打鍵
「はらい」のスタッカート
⇒習字の「はらい」のイメージで打鍵
「分離」のスタッカート
⇒指を置くように打鍵
スタッカートに似ている記号については簡単に触れます
スタッカートに似ている記号・奏法
ノン・レガート
スタッカートは音を「短くする」ニュアンス。
ノン・レガートは音を「分離する」ニュアンス、と解釈しておけばよいです。
ノン・レガートだから絶対にスタッカートで弾いてはいけない!ということではなく、弾き方は曲の流れや時代に沿って考えたいところ。
スタッカーティシモ
音符の1/4の長さにするのが一般的考え。
ただし、古典曲の楽譜ではスタッカートの代わりに用いられることも。
曲の流れや時代に沿って解釈したいところです。
メゾ・スタッカート
書き方が2通りあり、どちらも「メッゾ・スタッカート」と呼ばれています。
楽器によっては「ポルタート奏法」を表すこともあります。
音符の3/4程度の長さで演奏するのが一般的考え。
しかしこれも、厳密ではなく曲の流れに沿って変化します。
アクセント・スタッカート
音を短くし、かつ強く弾きます。
アクセンティシモ+スタッカートのパターンもあります。
いずれも曲の流れや時代により解釈が変わることがあります。
音楽は相対性です!
- ノン・レガート:音を分離する
- スタッカーティシモ:その音の1/4の長さ
- メゾ・スタッカート:その音の3/4の長さ
- アクセント・スタッカート:短く&強く
- 曲の流れや時代に沿ってニュアンス変化!
- ノン・レガート:音を分離する
- スタッカーティシモ:その音の1/4の長さ
- メゾ・スタッカート:その音の3/4の長さ
- アクセント・スタッカート:短く&強く
- 曲の流れや時代に沿ってニュアンス変化!
まとめ
・基本スタッカートは音を1/2の長さで弾く
・基本スタッカートは鍵盤に指を置いたところから、指先をはじくように弾く
・和音でも基本のスタッカートの弾き方は同じ
・「はらい」や「分離」の応用の弾き方がある
・スタッカート、似ている記号とも曲の流れや時代に沿って弾き方を考えよう
・基本スタッカートは音を1/2の長さで弾く
・基本スタッカートは鍵盤に指を置いたところから、指先をはじくように弾く
・和音でも基本のスタッカートの弾き方は同じ
・「はらい」や「分離」の応用の弾き方がある
・スタッカート、似ている記号とも曲の流れや時代に沿って弾き方を考えよう
この記事の参考図書